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2009.06.29

第15節清水戦採点 「上位への足掛かり」

Tokyo_2

リンク: 同点に追いつかれるも、石川の3戦連発ゴールで勝ち越し!リーグ戦連勝を飾る .

FC東京 2-1 清水

 最近、チームの調子が上がっているのは確かだったけど、強敵相手とは言えなかったのも事実。ナビスコカップの清水はヨンセンと岡崎を欠いていて、予選突破済みでモチベーションが低かった。柏も順位なりのサッカーで決して調子が良いとは思えなかった。

 そうした状況で迎えたこの試合。両チームともにここから巻き返しを狙うリーグ戦のガチンコ勝負。決してやさしい相手ではないし、本当に「反撃の夏」にできるか、試金石となる一戦。

 平山は踏ん張っていたし、ボールもそれなりに回るのだが、決定機が少なかった前半。後から振り返ると、早々にPKがもらえたのは大きかった。スタンドからは足が引っ掛かっていたか微妙に見えたけど(カボレのリアクションが大きすぎて、ダイブにも見えた(汗))、録画を見たら完全に蹴られてた。梶山はリーグ戦の2点はともにPK。

 決定機が少なかったのは、最後のスイッチが入りきらなかったから。ボールを出し入れしながら、じわじわと相手ゴールに迫っていくのだが、「得点を取るために」裏へ飛び出す選手が少ない。サイドで起点を作って、SBが追い越していくパターンはあるけど、平山やカボレがポストに入って、中盤の梶山や米本に戻した時に飛び出していくパターンが欲しい。ここに羽生が入っていけるようになると、もっと攻撃に厚みが出るはずだ。

 それでも今野、ブルーノ、梶山、米本でボールを回せるFC東京のリズムであったことは間違いない。前目の2人は石川が自由に動いて、羽生がバランスを取る感じ。パススピードも速くて、簡単に取られる感じはしない。ブルーノのフィードは縦に早めのタイミングで入れていき、梶山はサイドにいるフリーの選手を使う傾向が強い。違うところが見えているのが良いバランスを生み出している。

 後半は清水が岡崎をトップ下に入れた4-3-1-2(というか変則3トップ)に変えて、撃ち合いを挑んできた。中盤を省いて早めに前線に当ててくるのは、おそらく今後のFC東京対策としてはスタンダードな形になりそう。大きく蹴られると、どうしても高さ勝負では分が悪いDFラインが下がり気味になり、梶山もDFラインに吸収される位置取りになりやすい。

 だから手数を掛けずに攻めることも重要になってくる。この試合でもあったように、カボレが一人で運んでくれるのは大きい。あとは1対1を落ち着いて決めてくれれば、言うことないんだが(汗)。

 石川は、同点に追い付かれた後の、ミドルシュートが素晴らしかった。清水に傾いた流れを無理矢理引き戻した。しばしば「シュートを打って、流れを変える」なんていうけど、可能性のないシュートでは、流れも変わらない。あのシュートはピッチ内もスタンドも「行けるぞ」と思わせたことが凄い。スタンドの応援は、チームの勢いを加速させたり、足が止まりそうな選手を動かしたりすることはできるけど、やっぱりその火種をつけるのは、選手のプレーだから。

 勝ち越してから危ないシーンがなかったとは言わないけど、うまくクローズできたかなと。終盤戦で辻尾を入れてきた清水に対して、城福監督は椋原を左MFに入れる作戦で対抗。クロスを跳ね返すのではなく、クロスを入れさせないという狙い。オプションとしては面白かったし、実際に機能していた。

 ブルーノが入って安定した守備について推測していることもあるけど、もう少し自分で消化してから書くつもり。

 最後に、失点シーンは確かにブルーノのクリアボールがヨンセンに渡った結果のゴールだったけど、岡崎が明らかにオフサイドポジションにいて、ボールへ反応した岡崎の動きに対して今野が対応している(画面)。岡崎はボールには触ってなくても、オフサイドの構成要件である「相手競技者への干渉」を適用すべきだったと思う。

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 相手競技者への干渉については、JFAのサイトにあるこのファイル(PDF開きます)の105ページを見れば分かるはず。

 それでは採点です。

権田 5.5 遅延行為で無駄なイエロー。怪しげな飛び出しも
徳永 6.0 守備は安定。石川を囮にして攻撃を仕掛けたい
ブルーノ 6.0 失点シーン以外では良くボールを弾いていた
今野 6.5 だんだんとカンナバーロっぽくなってきた気がする
長友 6.5 攻撃ではシュートまでやり切る意識が見えていた
米本 6.0 やや動き過ぎの感も。最後はかなり疲れた様子
梶山 6.5 落ち着いたPKに加えて、相手シュートを掻き出した
石川 7.5 あのシュートを見た人は、ずっと自慢できるはず
羽生 6.0 スペースへの走りが使われるようになってきた
カボレ 5.5 PK奪取したが、1対1を外す。膝はかなり悪そう
平山 6.0 力強いポストプレー。最後まで前線でボール追う

鈴木 6.0 かなり調子は良い。もう少し長い時間見たい
椋原 --- 時間短く、評価無し
赤嶺 --- 時間短く、評価無し

城福 6.5 後半の選手投入はうまく行った。基本的な戦い方はまとまってきたので、あとはどう枝葉を付けていくかだけ。

 後半は、カボレだけでなく、珍しく米本もバテ気味。忘れがちだけど、米本はルーキーだし、そろそろシーズンを通した疲れも出てくるころだ。どうしても運動量が求められるスタイルなので、終盤に余裕ある展開の試合があったなら、バックアップメンバーも試しておきたい。

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