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2008.12.07

第34節千葉戦採点 「弛緩したスタンド」

 13時頃到着して、ゴール裏の一番上に席を確保しましたが、風が強くて本当に寒かった。ベンチコートのフードを被ったまま見ていました。

Chiba

 それにしても試合前のスタンドは違和感を感じるほど緩かった。ウェーブやってみたり、Puffyの「これが私の生きる道」を歌ってみたり、ACLへの期待感というより、単に浮ついていた感じ。ダービーや多摩川クラシコで感じた緊張感が見あたらなかった。残留争いで死に物狂いになっている相手チームへのリスペクトが足りないというか、何かが懸かっている試合とは思えなかった。選手のやる気は感じましたが、見ている側がこの順位に慣れてないってことでしょうか。

千葉 4-2 FC東京

リンク: 2点を先行するも、千葉の粘りに逆転負けを喫する.

 それでも試合はFC東京ペース。この試合で採用した4-4-2がうまくはまった。

   赤嶺 カボレ
羽生       鈴木
   今野 浅利
長友 茂庭 佐原 徳永
     塩田

 左サイドから侵入してくるレイナウドは長友が一線を越えさせない。右サイドは深井を今シーズン1番の出来だった徳永が押さえ込み、ミシェウは浅利と今野がケアをしてボールを入れさせない。勝たなければ残留のない千葉が攻勢に出ていた時間帯を耐えると、次第に流れを引き込んだ。

 そしてCKからの得点。カウンターからの追加点。楽勝だと思った。黄色の群衆もゴール裏以外は、テンションが下がったのを感じた。

 この日、目に付いたのは徳永と羽生。徳永はファーでフリーだったカボレへきっちり通したピンポイントクロスに卒倒しそうになった。羽生はボールを引き出す動きと献身的な守備が絶妙。ポストを叩いたシュートか、ゴール前に走り込んだところにわずかに合わなかったチャンスのどちらかが決まっていれば、見事に前所属チームを介錯できたわけだが…。

 4-4-2がうまく回ったのは浅利がいたことも大きい。今野が攻め上がる回数が多かったけど、基本的に浅利は守備的なポジショニングを取るし、羽生もスペースを埋めるため、4-3-3のように中盤に空白地帯ができることはほぼなかった。羽生がいなくなるまでは。

 羽生の交代で入った大竹だけど、頭上をボールが飛び交う展開では生きなかった。交代したのは川崎が先制する直前。大分-名古屋が膠着状態だったことを考慮すれば、ACL圏内を確保するには、川崎の負けを期待するしかなく、得失点差は意味がなかった。それなら天皇杯に繋がる4位狙いに徹する手もあったかと。いつでも3点目が取れそうな試合だったので、守備的な選手ではなく大竹を選んだのでしょうけど。

 失点してからの交代も後手に回った印象。最初は平山が準備していたけど、鈴木が脚をつったこともあり、二転三転した挙げ句、近藤を投入。最後には平山も出てきたけど、ああなった後では何もできず。ピッチ内は混乱したまま終わってしまいました。

 と、ここまで書いてきてなんですが、この試合はやっぱり千葉を褒めるべきかと。0-2になってからの逆転勝ち。それを本当に後がない試合でやってしまうのは凄い。あの時間帯の決定力は何だったんでしょうか。シュート練習だってあんなに決まらないよ…。

 ということで採点です。

塩田 5.5 PKを含めて、失点シーンはチャンスがなかった
徳永 6.5 右サイドを封鎖。キックの精度も高く、CKでアシスト
茂庭 5.5 中央突破された時の守り方をもう少し考えたい
佐原 5.5 前半は良かったが、失点後は盛り返せなかった
長友 6.0 思い切ったシュートが得点に。レイナウドを抑える
鈴木 6.0 裏を狙った走りでチャンスを作る。徳永とのコンビも○
浅利 5.5 バランス保っていたが、劣勢になってから立て直せず
今野 5.0 積極的なプレーを見せたが、痛恨のPKを献上する
羽生 6.0 攻守両面で目立った。80分まではプレーしてほしい
カボレ 5.5 得点は見事だったが、再三のチャンスを逃し続けた
赤嶺 5.0 シュートまで持ち込めず。小競り合いで目立っても…

大竹 5.0 激しい試合に入りきれないまま、終わってしまった
近藤 --- 急遽投入されたが、スペースがなかった
平山 --- この時間で2点差では何もできなかった

城福 5.5 プラン通り運んでいた試合の流れを選手交代で手放した。ACLでモチベーションを高めるまでは良かったが、その意欲が空回りした印象もある。サイドのMFが2人とも交代するのは想定外だったとは思うけど。

 FC東京絡みの大逆転といえば、勝った試合ばかりが印象に残っている。フクアリでは2-0から最後に阿部ちゃんの勝ち越し弾で3-4という試合があった。味スタでは0-2から3-2にしたG大阪戦や1-4から5-4にした川崎戦もあった。2点差をひっくり返されたのは、0-2から6-2になった万博のG大阪戦…。あれは力の差を感じた試合だったけどね。

 ここで挙げた試合はすべてが「挑戦者」という立場で臨んだ試合。立場が変わったこの日はうまくいっていたのに、訳が分からないまま逆転された。後から振り返ったときに「強くなる課程としての通過儀礼だった」と位置づけられればいいのですが。

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コメント

なるほど、そう思われましたか・・・。確かに慢心に繋がったかもしれませんね。

けど、私は試合前のコールに喜んだ一人です。慢心というより、盛り上げるためのものだったと思ったからです。
また、「東京のゴール裏」が久しぶりに帰ってきた!とも思いました。ああいうことは、もうなかなかできませんからね。。。

あれはいろいろなとらえ方があるとは思います。

慢心というより、比較上優位な立場にあるチームの(それもアウェイの)ゴール裏がやるべきことなのかという点で違和感が拭えなかったです。

あまりにネタが直球過ぎて、粋じゃないというか…。相手がいるのに自分たちのことしか考えてないというか。何かやるならもっと練って欲しいというか。

今回のは内向き過ぎてちょっと乗れませんでした。ホーム最終戦の監督演説以来、暖めてきた「最終戦に勝ってアジアへ行くぜ」という意気込みとのギャップが大きかったのもあるかと。

私も好意的に受け止めてました。てかヨソのクラブはともかく東京サポは浮かれてナンボ、相手へのリスペクトは試合終了まで胸にしまってそれまでは意地でも小馬鹿に が、矜持だと思っておりますので。それに相手の猛烈な意気込みをがっぷり受けたらウチではまだまだ勝ち目は無いとも思っておりましたので。まぁ人それぞれですな。
では。

単純に言うと監督や選手は本気で上位を目指す意気込みを見せているのに、こっち側は今まで通りでいいのかってことなんですけどね。

天皇杯の仙台戦での「宮沢」コールに通ずるものもちょっと感じたので…。

弱いチームのサポがやるなら、ニヤッとできることでも、上位チームがやると「いけ好かないやつ」にならないですかね? ブラックジョークを上司に言われるみたいな

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