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2005.10.17

TBSを買っても効果は?

 楽天のTBS出資問題ですが、プロ野球とか村上ファンドなどキーワード的に面白い要素が出ているためか、本質から外れた部分での取り上げ方が多くなっている様子。楽天の狙いを全般的に理解するにはこの記事を読めばいいかも。今日の日経産業の2面にも同様の分析が出てましたね。

 個人的にはこないだここのブログにコメントしたので、それを引用しておきましょう。

彼らはポータルサイトとしてヤフーを上回りたいんでしょうね。チケットとか証券とかオークション、検索を購入して追いかけても、インターネットでの存在感はいつまで経ってもヤフーにはかなわない。そこで野球やテレビの力で彼らの「ブランドを一般名詞化したい」のだと想像しています。

 「検索するためにヤフーを見る」とか「オークションをするためにヤフーを見る」はあり得るし、そこから、ニュースを読んだり、ショッピングをしたりというついで需要を増やす効果はあるでしょう。しかし、楽天市場で買い物をしたユーザーが「楽天トラベル」や「楽天証券」を利用するケースはさほど大きくなさそう。

 2003年に「旅の窓口」を323億円で買収した時に、本誌に書いたのが

旅の窓口はもともと国内最大の旅行サイトであり、楽天トラベルと統合しても、事業収益だけで投資金額に見合う効果を得られるのかは疑問。結局は、旅の窓口が持つ約300万人の会員を、IDの統合などで楽天市場にうまく取り込めるかがポイントになりそうだ。
ということ。

 TBSを取り込んだところで、それに見合う収益を上げなくてはならないと考えると、番組をネットで流すといった程度では問題外。まあ連結対象にすることで、収益の上積みにはなるでしょう。楽天が今期から国内信販を連結して900億程度の売り上げなのに対して、TBSは3000億ぐらいの売り上げがありますし。IT企業を標榜する限り、成長し続けないと市場からそれなりの扱いを受けてしまいますからね。

 ただなあ…、事業会社がマスコミを傘下に収めると、スピード経営を行う上で足かせになってしまう危険性があると思うんだけど。インサイダー規制もあるし、証券会社を持っているのも問題になりそう。プロ野球よりもこっちが問題でしょう。2つの事業を完全に遮断すればいいけど、それでは相乗効果が見込みにくく、なかなかそうもいかない可能性もあるよな。この点をあまり指摘する人がいないのはなぜだろう。

 でもこういうネタを書くと、普段このブログををゆる~く読んでいる人にあんまり評判よくないんだよな(笑)。

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コメント

ポイントがつくので、当方、楽天トラベルはよく使ってるです。
ていうか、元々楽天のお買い物と旅窓の両方のユーザーだったので、当然の成り行きでした。

どこに行こうとしているのだろう、楽天は。
普通にお買い物とホテルの予約は便利なんだけど。

そうそう、元から両方使ってたユーザーはいいんですけどねー。そうじゃないユーザーはヤフートラベルでも、livedoor トラベルでもいいわけで。

忠誠心が高くないユーザーを引きつけるポータル化を目指すためのコンテンツとして、テレビが有効だと思ったのでしょう。

不思議に思うのは、ライブドアにしても楽天にしても、
all aboutの路線に行かないことなのよね。
コンテンツ欲しいといつもグチってるのに、取り入れるのは
いつも装置ばっかり。
彼らのやってることは、姿を変えたハコモノ産業なのかね。

そして最後にリクルートがかっさらっていく、と。

ハコモノってのはいい例えですね。資金があるってことは、それを投資しないといけないわけで、一から作るより有りものを買ってきた方が速いですしね。

まあ会社の違いは社長のキャラクターの違いかもしれないと思ってます。インタビューや記者会見を見ていると、ホリエモンは超俗物って感じだし、三木谷社長はやっぱり銀行っぽい人。一番よく分からないのがヤフーの井上社長だな。表になかなか出てこないのが底知れない感じを醸し出してるのかも。

そしてall aboutにはヤフーの資本が入っているという…。

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