ライブドアのMSCBは最低の策

　ゲラが出てくるまで時間があったので、ライブドアの800億の資金調達についていろいろ調べていたのですが、さすがにこれは筋が悪いですわ。リーマンに食いつぶされてしまうのではと思われ。続きは後で。

　googleで「MSCB」を検索してもらえれば、大体のことは分かると思います。MSCBは「転換価格(下方)修正条項付き転換社債」のこと。株価が下落した場合、それに応じて転換価格も下がるCBです。これを発行する会社は、他に資金調達の手段がないケースが多いのです。このからくりはここあたりを見てもらえれば。

　こんな条件の悪いMSCBを発行した時点で資金調達が苦しいんだなということは分かるわけですが、この契約こんな条項が付いてます。「今回の調達に伴い、当社筆頭株主及び代表取締役社長兼最高経営責任者である堀江貴文は、その保有する当社発行普通株式の一部をリーマン・ブラザーズ証券会社グループに貸借する合意を行っております。」　要はリーマンに堀江社長が持っている株を貸すよと。事実上、株式を担保に入れてるに近いわけで。

　リーマンにすれば貸りた株を売り浴びせておいて、ぎりぎりまで下がったところで転換して株を返せばそれだけで大儲け。さらに下限金額で転換すれば5億株が新たに生まれるわけで、返した株の残りを入手したところがライブドアの筆頭株主になる可能性が高い。あとは経営権を持った会社がライブドアグループの各社を転売すればさらに儲かるはずです。リーマンがライブドアをしゃぶりつくす絵を描いたとしか思えないんですが。「廂を貸して母屋を取られる」ってことになるんじゃないかと。

　現にここにきてライブドアの株価は下がってきました。今週いっぱい注目していきましょう。